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社会保険労務士・行政書士の宮腰です。ものを書くのが好きで始めました。マイペースで投稿していきますので、よろしくお願いいたします。

2026年6月16日火曜日

障害年金とお金 ― 非課税・扶養・障害者控除のきほん

※本記事の作成にあたり、文章の構成・推敲等に生成AIの支援を受けています。記載されている法令や制度等の内容については、執筆時点の情報を基に筆者自身が責任を持って確認・監修を行っております。

障害年金を受け取るようになると、「この年金に税金はかかるのだろうか」「家族の扶養はどうなるのだろう」といった、お金まわりの疑問が出てくることがあります。私自身、障害年金を受給してきた立場として、また社会保険労務士として、この種のご質問をいただく機会は少なくありません。

今回は、障害年金とお金について、特に「税金」と「扶養」で戸惑いやすい点を、落ち着いて整理してみたいと思います。

1.障害年金に税金はかからない

障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)には、所得税も住民税もかかりません。これは、国民年金法第25条・厚生年金保険法第41条第2項が、これらの給付を標準として租税その他の公課を課すことができないと定めているためです(老齢年金は除かれます)。所得税法第9条(非課税所得)の上でも、障害を支給事由とする年金は非課税とされています。

そのため、障害年金から税金が源泉徴収されることはなく、確定申告で所得として申告する必要もありません。一方で、障害年金とは別に給与や事業の収入がある場合は、その収入には通常どおり税金がかかります。障害年金が非課税だからといって、他の収入まで申告しなくてよいわけではない、という点だけ押さえておきましょう。

2.「扶養」には二つの意味がある ― 税と社会保険

ここが、いちばん誤解の多いところだと感じています。ひとくちに「扶養」といっても、税の扶養と社会保険の扶養は別の制度で、障害年金の扱いがちょうど逆になります。

税の扶養(配偶者控除・扶養控除)について。税の世界では、障害年金は所得に含まれません。配偶者控除や扶養控除を受けられるかどうかは「合計所得金額」で判定しますが、ここに障害年金は入りません。ですから、障害年金を受給している方を扶養に入れても、年金額そのものは判定に影響しません。

社会保険の扶養(健康保険)について。一方、健康保険の扶養では、障害年金は「収入」として数えます。被扶養者でいられる収入の目安は年130万円未満(60歳以上または障害のある方は180万円未満)とされており、この収入には障害年金も含まれます。

私自身の経験を一つ。病気で収入が落ち込んだ時期がありましたが、私の障害年金も収入として認められ、配偶者を健康保険の扶養に入れたまま続けることができました。税の世界では「ないもの」として扱われる障害年金が、社会保険の世界では家計を確かに支える収入として評価される――この違いを、身をもって実感した出来事でした。

逆に、ご自身が障害年金を受給していて、ご家族の健康保険の扶養に入っている(あるいは入ろうとする)場合は、見方が変わります。このときは障害年金も収入として数えられますので、他の収入と合わせて年180万円(障害のある方の基準)を超えると、扶養から外れることになります。「障害年金は非課税だから収入にならない」と思っていると、ここで行き違いが生じやすいので、注意が必要です。

3.障害者控除は「年金」ではなく「手帳など」で決まる

税の話に戻ります。障害のある方やそのご家族が受けられる「障害者控除」は、障害年金を受給しているかどうかではなく、障害者手帳などを基準に判定される、別の制度です。「年金をもらっている=自動的に控除される」わけではない、という点に注意が必要です。たとえば障害年金の1級・2級を受けていても、それだけで障害者控除の対象になるわけではなく、あくまで手帳の有無などで判定されます。

控除額は、所得税で27万円(特別障害者は40万円、同居の特別障害者は75万円)、住民税で26万円(同じく30万円、53万円)です。

この控除は、障害のあるご本人だけでなく、その方を扶養しているご家族の側でも受けられます。本人に所得がなくても、扶養しているご家族の確定申告や年末調整で申請できます。私自身、毎年の確定申告でこの控除の手続きに関わっていますが、障害者控除は自動的に反映されるものではなく、申告のたびに忘れずに記載する必要があります。もっとも、e-Taxを使えば前年の入力内容を引き継げますので、毎年の記載もいくらか楽になります。一度流れをつかんでしまえば難しいものではありませんが、「申請しなければ受けられない」という点は、意外と見落とされやすいように感じています。

なお、障害年金の等級と、税法上の障害者控除の区分は必ずしも一致しません。手帳の有無や等級で判断される点も、混同しやすいところです。

4.そのほか、お金にまつわる周辺のこと

障害基礎年金(1級・2級)を受けられるようになると、国民年金保険料が法定免除の対象になります(国民年金法第89条)。届出が必要ですので、年金事務所で確認してみてください。

また、20歳より前の傷病による障害基礎年金には、本人の所得による支給制限があるなど、通常の障害年金とは異なるルールがあります。詳しくは別記事「20歳前傷病の障害年金 ― 対象になる方と手続きの流れ」にまとめていますので、あわせてご覧ください。

お金まわりの話は、制度ごとに扱いが違っていて、戸惑いやすいところだと思います。なお、個別の確定申告の作成や具体的な税額の計算は、税理士の領域となります。判断に迷う場合は、税務署や税理士にご確認ください。

あわせて、障害年金そのものの手続きについては「障害年金の請求 ― まずは全体の流れを」、私自身が受給に至った経緯については「障害年金の受給者である社労士の話」もご覧いただければ幸いです。


今回はここまでとなります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

当事務所では、障害年金のご請求や成年後見、遺言・相続といった「人生の転機」に関わる手続きをサポートしています。ブログを読んで少しでも気になることやご不安なことがありましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

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