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社会保険労務士・行政書士の宮腰です。ものを書くのが好きで始めました。マイペースで投稿していきますので、よろしくお願いいたします。

2026年3月10日火曜日

「障害認定日」とは? 請求のタイミングを左右する大切な日について解説します

※本記事の作成にあたり、文章の構成・推敲等に生成AIの支援を受けています。記載されている法令や制度等の内容については、執筆時点の情報を基に筆者自身が責任を持って確認・監修を行っております。

こんにちは。
社会保険労務士・行政書士の宮腰です。
今回は、障害年金の手続きにおいて「初診日」と同じくらい重要な「障害認定日」について書いてみたいと思います。

1. 障害認定日とは?(原則のルール)

障害認定日とは、その名の通り「障害の程度を認定する日」のことです。
原則として、「初診日から1年6か月を経過した日」を指します。(※1年6か月以内に治療の効果が期待できず、症状が固定したと医師が判断した場合は、その日になります)

障害年金は、病気やケガをしてすぐに請求できるわけではありません。治療を続けてもこれ以上症状がよくならない、あるいは生活に支障が出る状態が続いていると判断されるまでに、制度上「原則として1年6か月」という期間が設けられているのです。

——当事者の視点からすると、働けなくなってからの「1年6か月」は、経済的にも精神的にも非常に長く、不安な期間ですよね。私自身も受給者ですので、そのお気持ちはよく分かります。

2. 1年6か月待たずに請求できる「特例」がある

原則は1年6か月ですが、実は例外もあります。
特定の治療を受けたり、特定の状態になったりした場合は、1年6か月を待たずにその時点で「障害認定日」が到来したとみなされ、早期に請求手続きに入れるケースがあるのです。
代表的な例をいくつか挙げます。

  • 人工透析療法を行っている場合: 透析を受け始めてから3か月を経過した日
  • ペースメーカーやICD(植え込み型除細動器)を装着した場合: 装着した日
  • 人工関節や人工骨頭を造設した場合: 造設した日
  • 喉頭を全摘出した場合: 全摘出した日

(※これらの特例が適用されるのは、初診日から1年6か月以内に該当した場合に限られます。)

なお、上記はあくまで代表的な例です。このほかにも特例の対象となるケースがありますので、「自分の場合はどうだろう?」と思われた方は、年金事務所や社会保険労務士にご相談いただくことをおすすめします。

もしこれらに該当する場合は、1年6か月を待たずに請求できるため、「まだ期間が経っていないから」と諦めず、早めに準備を進めることが大切です。

3. 過去にさかのぼる「遡及請求(さかのぼり請求)」の現実

「障害年金の制度をもっと早く知っていれば……」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は、制度を知らずに請求が遅れた場合でも、後からさかのぼって請求できる「遡及(そきゅう)請求(いわゆる、さかのぼり請求)」という仕組みがあります。

例えば、初診日から1年6か月経った「障害認定日」が3年前だったとします。この場合、「3年前の障害認定日当時の症状」を書いた診断書と、「現在」の症状を書いた診断書の2枚を提出します。そして、「当時の時点で間違いなく障害等級に該当する状態であった」と審査で認められれば、過去3年分の年金をまとめて受け取ることができます。(※時効の関係で、実質的にさかのぼれるのは最大5年分です。)

——しかし、ここには大きな落とし穴があります。実務上、この遡及請求がすんなり認められるケースは、実際にはあまり多くありません。

最大の理由は、「何年も前のカルテが病院に残っているか」、そして「ちょうど障害認定日の時期に受診していて、当時の状態を医学的に証明する診断書を書いてもらえるか」という非常に高いハードルがあるからです。

【ここが重要】
遡及請求に使う診断書は、原則として「障害認定日から3か月以内の受診」に基づいて作成される必要があります。つまり、障害認定日以後3か月以内に受診していなければ、そもそも診断書を書いてもらうことが難しくなるのです。

医師法におけるカルテの保存義務は5年となっているため、時間が経てば経つほど記録が廃棄されやすくなります。認定日当時の状態が書類で証明できなければ、いくら現在が重症でも過去にさかのぼっての受給は認められません。

ご病気で辛い時期に、複雑な手続きのことまで考えるのは本当に大変なことだと思います。ただ、「後からさかのぼって請求できる制度があるから大丈夫」と安心してしまうのは少し危険です。

だからこそ、ご自身の障害認定日がいつになるのかを早めに把握し、その時期に合わせてしっかり受診実績を作って準備しておくことが本当に大切なのです。

4. 過去の記録がなくても諦めない!「事後重症請求」

「当時のカルテが破棄されていて、過去にさかのぼれない……」
そんな場合でも、決して障害年金を諦める必要はありません。

障害認定日当時の記録がなくても、「現在」の症状が障害等級に該当するほど重くなっていれば、現在の診断書のみで請求する「事後重症(じごじゅうしょう)請求」という方法があるからです。

ただし、この事後重症請求には「請求手続きをした翌月分からしか年金が支給されない」という絶対のルールがあります。過去にさかのぼってまとめて受け取ることはできません。また、事後重症請求ができるのは原則として65歳に達する日の前日までですので、この点にもご注意ください。

つまり、手続きを迷って請求が1か月遅れれば、本来もらえたはずの年金を1か月分丸々損してしまうことになります。過去の記録がなくて困っている方こそ、「とりあえず今の状態で申請できるか」を1日でも早く専門家に相談し、スピーディーに動くことが何よりも大切です。

おわりに

障害認定日は、障害年金の請求において初診日と並ぶ大切なポイントです。まずはご自身の障害認定日がいつになるのかを把握し、早めに動くこと——それがスムーズな受給への第一歩になります。

今回はここまでとなります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

当事務所では、障害年金のご請求や成年後見、遺言・相続といった「人生の転機」に関わる手続きをサポートしています。ブログを読んで少しでも気になることやご不安なことがありましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

それでは失礼いたします。