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社会保険労務士・行政書士の宮腰です。ものを書くのが好きで始めました。マイペースで投稿していきますので、よろしくお願いいたします。

2026年3月17日火曜日

障害年金の受給経験がある社労士が、公的年金と民間保険を本音で比較してみた

※本記事の作成にあたり、文章の構成・推敲等に生成AIの支援を受けています。記載されている法令や制度等の内容については、執筆時点の情報を基に筆者自身が責任を持って確認・監修を行っております。

こんにちは。
今回は、「もし病気やケガで働けなくなったら……」という不安に対して、公的年金と民間保険がそれぞれどんな役割を持っているのかを、障害年金の視点から比較してみたいと思います。
社労士として障害年金の申請をサポートしつつ、CFP®として民間保険の知識も少しある身ですので、両方の目線で書いてみたいと思います。

1. 公的年金=「老後のお金」だけではありません

年金と聞くと「老後にもらうもの」というイメージが強いかもしれません。

しかし、公的年金制度がカバーしているのは老齢だけではなく、「長生き(老齢)」「障害」「死亡(遺族)」という人生の3大リスクです。

つまり、毎月納めている年金保険料の中に、働けなくなったときの備え(=障害年金)がすでに含まれているのです。

——私の場合は、たまたま社労士試験の勉強をしていたおかげで障害年金の制度を知ることができました。もし勉強していなかったら、自分が対象になるとは気づかないまま過ごしていたかもしれません。知っているかどうかで、人生の選択肢は大きく変わります。

2. 障害年金という「知る人ぞ知る」保障

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に支障が出たときに受け取れる年金です。
がん、うつ病、糖尿病、心疾患、人工関節、ペースメーカー……対象となる傷病は非常に幅広く、身体障害者手帳の有無とも関係ありません。

にもかかわらず、この制度の存在はまだまだ広く知られているとは言えません。
当事務所にご相談に来られる方は、ご自身で障害年金について調べた上でいらっしゃる方がほとんどです。つまり、制度を知らない方は、そもそも相談という行動にたどり着かないのです。

——就業不能保険や医療保険を検討される方は多いのに、すでに自分が持っている「障害年金」という保障を知らないまま判断してしまうのは、もったいないことだと感じています。

3. 公的年金の障害年金と民間保険を比べてみると

では、公的年金の障害年金と民間の保険には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
「病気やケガで働けなくなったとき」の保障に焦点を当てて比較してみます。

比較ポイント 公的年金の障害年金 民間の就業不能保険・医療保険など
加入のしくみ 強制加入(原則として、日本国内に住む20歳〜60歳の方は国民年金への加入義務があり、要件を満たせば自動的に障害年金の保障対象となる) 自分で選んで加入する(任意加入)
給付期間 障害等級に該当する限り受給が続く。ただし多くの場合は1〜5年ごとに更新(再認定)があり、症状が軽快すれば支給停止となる場合もある 契約時に定めた保険期間(55歳・60歳・65歳満了など)が上限。精神疾患については給付回数に制限がある商品も多い
対象となる傷病 傷病名を限定しない。精神疾患(うつ病等)・内部疾患・がんなども幅広く対象 商品によっては精神疾患が対象外、または入院時のみ対象など条件が厳しい場合がある(※)
加入時の健康審査 なし(健康状態に関わらず、公的年金の加入者であれば対象) あり(過去の病歴等により加入できない場合がある)
給付額の調整 物価・賃金の変動に応じて調整される仕組みがある 原則として契約時の金額で固定
注意点 請求手続きが必要(自動的には支給されない)。初診日の証明や保険料の納付要件など、一定の条件がある 保険料の負担が長期にわたる。保障内容の見直しが必要な場合がある

※就業不能保険では、精神疾患による就業不能が保障対象外とされている商品が少なくありません。近年は精神疾患をカバーする商品も登場していますが、給付回数の制限や長期入院の要件など、条件が厳しめに設定されていることが多いのが現状です。一方で、民間保険には自分のニーズに合わせて保障内容や給付額を柔軟に設計できるという、公的年金にはない強みがあります。検討される際は、ご自身の状況に合った保障内容かどうか、加入前に必ず確認されることをおすすめします。

【ここが重要】
障害年金は「請求しなければ受け取れない」制度です。どんなに症状が重くても、自分から手続きをしない限り、1円も支給されません。制度を「知っている」だけでは足りず、「動く」ことが必要です。
もう一つ大切なこととして、保険料の納付要件は「初診日の前日」時点で判定されます。病気やケガの後に慌てて未納分を納めても間に合いません。日頃からの保険料の納付(または免除手続き)が、いざというときの障害年金を守ることにつながります。

4. 「1階建て」か「2階建て」かで保障の厚さが変わる

障害年金の給付額は、加入している年金制度によって大きく異なります。

  • 国民年金のみ(自営業・フリーランスなど)の方 → 障害基礎年金(1級・2級)が対象
  • 厚生年金にも加入(会社員・公務員など)の方 → 障害基礎年金に加えて障害厚生年金が上乗せされ、さらに3級(年金)や障害手当金(一時金)の制度もある

同じ「障害年金」でも、厚生年金に加入している方の方が保障は手厚くなります。
逆に言えば、国民年金のみの方は公的保障だけでは十分でない可能性があり、民間保険による上乗せを検討する意味が大きくなります。

なお、まだ年金制度に加入する前の20歳前に初診日がある病気やケガについても、「20歳前傷病による障害基礎年金」という仕組みがあり、保険料の納付要件を問わずに請求できます(※ただし、ご本人の所得による支給制限があります)。年金の受給自体は20歳以降になりますが、お子さんの頃の病気やケガであっても、将来の障害年金の対象になり得るのです。

——以前、保険の営業の方に「お子さんにも保険をかけておきませんか」と勧められたことがありました。そのときは、子どもの身にそういうことが起きること自体を考えたくなくて断ったのですが、実は公的年金の中にすでにお子さんの万が一にも備える仕組みがある。このことを知っているだけでも、少し安心できるのではないかと思います。

ご自身が今「1階建て」なのか「2階建て」なのかを把握することが、保険選びの出発点になります。ここを知らないまま民間保険を選ぶと、保障が重複したり、逆に必要な部分が手薄なままになることがあります。

5. 保険を考える前に、まず「自分のベース」を知る

民間の保険が不要だと言いたいわけではありません。
公的年金だけではカバーしきれない部分は当然ありますし、ご家族の状況やライフプランによって必要な備えは一人ひとり異なります。

ただ、保険を検討する順番として大切なのは、「まず自分が持っている公的保障の中身を知ること」です。

自分は今、1階建て(国民年金のみ)なのか、2階建て(厚生年金あり)なのか。
障害年金という保障が、自分にどのくらいの安心を与えてくれるものなのか。

そこを把握した上で、足りない部分を民間保険で補う。
この順番で考えることが、無駄のない備えへの第一歩になります。

障害年金の制度についてもう少し詳しく知りたいという方は、当ブログの障害年金シリーズもあわせてご覧ください。

今回はここまでとなります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

当事務所では、障害年金のご請求や成年後見、遺言・相続といった「人生の転機」に関わる手続きをサポートしています。ブログを読んで少しでも気になることやご不安なことがありましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

それでは失礼いたします。