こんにちは。
今回は前回との関連で、『成年後見制度を利用するデメリット』について、特に『専門職の後見人を利用するデメリット』について書いてみたいと思います。
今回は前回との関連で、『成年後見制度を利用するデメリット』について、特に『専門職の後見人を利用するデメリット』について書いてみたいと思います。
はい、それではよろしくお願いいたします。
箇条書きで失礼します。
1. 財産の活用等が難しくなります。
成年後見制度は本人の財産保護が目的のため、資産運用は原則としてできません。
私も、後見人として本人(基本的に他人)の財産を運用する勇気はありません。
そして、本人(被後見人)の財産を減らす行為(生前贈与など)も、原則として出来ません(定期報告時に家庭裁判所に咎められる可能性が大です)。
そのため、相続税対策なども難しくなります。後見活動では、基本的に本人の生活の事しか考えません。本人の死後の事は考えません。
また、一般的な扶養義務の範囲内であれば問題ありませんが、それを超えて、家族のために財産を使うことは難しいです。
例えば、本人が行かない(行けない)家族旅行の費用を支出するとかです。
この部分は『親族後見人』が家庭裁判所から咎められる事が多いようです。
2. 『専門職の後見人』への報酬が発生する
『専門職の後見人』が選任された場合、家庭裁判所が定めた報酬を支払う必要があります。
我々は、年に1回の報告書の提出時に、『報酬付与の申立て』を家庭裁判所に対して行います。
3. 裁判所などの第三者が介入する
成年後見制度を利用すると、本人の財産管理に『家庭裁判所』や『専門職の後見人』といった第三者が介入します。家族にしてみれば、余計なお世話と感じる事も多いかもしれません。
4. 一度利用すると途中でやめられない
最後に、個人的には「これが一番デメリットかな」と考えていますが、成年後見制度は本人が死亡するまで続きます。つまり、それだけお金もかかりますし『専門職の後見人』との付き合いも続きます。
デメリット的には、こんなところでしょうか。
前回書いた、成年後見制度を利用するメリットと比較してどうでしょうか。
そもそも一般的な家庭では、成年後見制度を利用せずとも、日常の手続きは子どもの代理サインで済むことが多いです。
しかし、大きな資金を動かす必要がある場合は事情が変わります。
たとえば、
「認知症の親の定期預金を解約したいが、成年後見制度を利用するしかないの?」という相談を受けることがあります。
現実的には、認知症が進行し判断能力を失うと、
『成年後見制度の利用』や、言葉を選ばず書けば『相続を待つ』
以外の選択肢は限られます。
こうした状況を避けるためには、早めの対策が必要ですが、
その対策として、以下のような制度を活用することが思いつきます。
①銀行の代理人制度:比較的簡単に設定でき、預金の管理を代理人が行うことが可能。
②親子間の任意後見契約:多少の手間はかかるものの、親が自ら後見人を選び、必要になったときにサポートを受けることができる。
どちらの制度も一長一短はありますが、
御家庭によってはこれらの対策を講じることで、認知症になってもスムーズな財産管理が可能になるかもしれません。
他には、家族信託という制度もあります。
家族の負担を減らすためにも、少しづつでも話を始め、調べてみても良いかもしれません。
はい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは失礼いたします。