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社会保険労務士・FP行政書士の宮腰です。物を書くのが好きで始めました。マイペースで投稿していきますので、よろしくお願いいたします。

2020年9月21日月曜日

法定相続分と遺留分について

 こんにちは、おじさんです。👨

今回は、『相続における法定相続分と遺留分』
について書いていきたいと思います。

まず第一に相続人の優先順位です。

上の順位の相続人が一人でもいるときは、
下の順位の相続人は相続人になりません

配偶者(妻・夫)は常に相続人です。
1位 子供(直系卑属)
2位 親 (直系尊属)
3位 兄弟姉妹

と、なっています。

次に、『法定相続分』とは何ぞやです。

法定相続分とは、
相続財産の、民法で定められた分け方です。
👇👇👇条文です

第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
出典:e-Govウェブサイト(https://www.e-gov.go.jp)

条文読んでもおじさんよくわからないので、
具体的に我が家をモデルにして書いていきます。

我が家は、おじさん・かみさん・息子・娘の4人家族です。

今ここでおじさんが死んだ場合は、

被相続人はおじさん

相続人は、かみさん・息子・娘の3人です。

相続財産が4000万円(こんなにありませんが)で
遺言状がなく、みんなで普通に法定相続分で分けようとなった場合は

例① かみさん 相続財産の2分の1 2000万円
   息子   相続財産の2分の1を妹と半分こ1000万円
   娘    相続財産の2分の1を兄と半分こ1000万円

と、なります。

もしおじさん夫婦に子供がなく、
相続人が、かみさんとおじさんの両親だった場合は

例② かみさん 相続財産の3分の2 約2700万円
   おやじ  相続財産の3分の1をおふくろと半分こ
                  約650万円
   おふくろ 相続財産の3分の1をおやじと半分こ
                  約650万円
   両親どちらかしか存命でなかったら存命な方に
                 約1300万円

もし両親が亡くなっていて、
おじさんに兄弟が2人いたら

例③ かみさん 相続財産の4分の3 3000万円
   おじさんの妹 相続財産の4分の1を弟と半分こ
                  500万円
   おじさんの弟 相続財産の4分の1の姉と半分こ
                  500万円

   兄弟が一人なら       1000万円

となります。

配偶者(妻・夫)は常に優遇されます。

もし上記例で、
かみさんがすでにいないとき(死別・離婚等)は、
かみさんの相続分を、その時の相続人で平等に分けします。

『法定相続分』はこんな感じです。


ではここで、
おじさんが『遺言状』で、
「かみさんに全財産を相続させる」
と遺言した場合はどうなるでしょう。

ここで『遺留分』が出てきます。

まず『遺留分』とは何ぞやですが、

遺留分とは、相続人一人一人の相続財産の最低取り分です。

父や母・祖父や祖母のみが相続人である場合は、
相続財産の3分の1ですが、
それ以外は2分の1です。

ちなみに兄弟姉妹には遺留分はありません。
👇👇👇

(遺留分の帰属及びその割合)
第千二十八条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一

出典:e-Govウェブサイト(https://www.e-gov.go.jp)

分かりにくいので、本来の我が家の例①でいうと、遺留分は

かみさん 2000万の2分の1  1000万円
息子と娘 1000万の2分の1  500万円
です。

ここでおじさんの遺言状で、
かみさんに総財産の4000万円が相続されると、
当然子ども達の相続分はありません。

この場合子ども達2人は、
かみさん(母親)に
「500万円ずつ頂戴」
と言うことができます。

なぜなら遺留分で
500万円の取り分が、
それぞれ保証されているからです。

とっても簡単に説明しましたが、『法定相続分と遺留分』
の説明はこんな感じです。

ただし大前提として、
相続人全員による『遺産分割協議』で、
法律上の取り分に縛られないわけ方も出来ますし、

他の相続人が『遺留分』を請求しなければならないということもありません。

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我が家の現状であれば、かみさん(母親)が相続財産のすべてを相続しても、子ども達は何も文句は言わないと思います。
(今現在おじさんが死んだ場合には、まだ子ども達小学生と中学生なので色々面倒な手続きがあります。母親は通常子ども達の代理人にはなれません。)

あと上でさらっと書いてありますが、
兄弟姉妹には『遺留分』ありませんので、

例えばおじさんが死んだ後の相続人が例③だった場合は、
おじさんが遺言状で
「かみさんにすべての財産を相続させる。」
と書いておけば、すべての財産はかみさんに相続され、
おじさんの兄弟姉妹に出る幕はありません。

はい、今回は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の内容が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

それでは🙋