こんにちは、おじさん行政書士・FPです。
ではタイトルの件、早速書いていきたいと思います。
まず『相続放棄』についてですが、ここ最近有名になってきた気がします。
(相続の放棄の効力)
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)
被相続人(亡くなった方)の『負債』が『財産』より多い場合とかに、その相続を放棄できるという制度です。
物凄くざっくり言うと、『親の借金を子が背負うことはない』ということでしょうか。
もちろん相続人になるのは子どもだけではありません。
直系尊属(親やおじいちゃん等の、直接の自分の上の世代)や兄弟姉妹・甥・姪もなりえますが、みんな『相続放棄』できます。
そして『相続放棄』の手続きは、相続が始まってから(被相続人が亡くなってから)3ヶ月以内に家庭裁判所に対して行います。
(相続の放棄の方式)
第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)
負債(借金等)の遺産分割協議は要注意 相続放棄か債務引受契約か
上に書いた民法九百三十九条の条文通り、
『相続放棄』をすれば、そもそも『相続人』ではなかったことになるので、この相続問題からは切り離されるはずです。
ただしもう一つ民法には条文があります。
(相続の放棄をした者による管理)
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)
つまり、『相続放棄』しても「財産管理はしっかりやって次順位の相続人にその管理をしっかり引き継いでください」ということです。
我が家をモデルとして例をあげます。
我が家は『おじさん自身』と『かみさん』と『子ども二人』です。
もしおじさんに何かあり、かみさんと子ども達が相続放棄したとします。
でも、今あるおじさん名義のこの家とかは、「次順位の相続人が管理できるようになるまで, ちゃんと管理してください」と言うことです。
もちろん家・土地だけでなく、口座も車も相続財産全部です。
『相続放棄』して、実際には相続しなくてもです。
もしこの家が老朽化で崩れて道行く人に怪我をさせた場合、『管理責任』を問われて損害賠償問題になるかもしれません。
『管理』とは今回の例でいうと、「相続放棄したからと言って完全空き家状態みたいにして、朽ちるにまかせることは駄目ですよ」ということです。
また、通帳とかキャッシュカードを、自分が相続しないからと言って、不用心にその辺に置いとくのも駄目です。
条文にある通り
『自己の財産におけるのと同一の注意をもって』管理しなくてはなりません。
自分の通帳・カードと同じように管理です。
「しっかりと次順位の相続人に引継ぎをしましょう」と言うことです。
では次の相続人はおじさんの親でしょうか?兄弟でしょうか?
面倒ですが調べなければなりません。
もしかしたらおじさんの債権者(お金を貸してくれていた人や会社)が、貸したお金を返してもらう為に、次順位の相続人に連絡してくれるかもしれませんが、どちらにしろ『管理義務』から解放されるために、早めにちゃんと次の相続人に連絡したほうがよさそうです。
また、亡くなった方と普段から付き合いが全く無く、かかわりたくないから『相続放棄』する場合もあるかもしれません。
この場合も、『相続放棄』だけして放っておくと後々面倒なことに巻き込まれる可能性もあるので、相続関係者に対する最低限の『引継ぎ?』は必要だと思います。
ではもし、おじさんに親も兄弟もいなくて、かみさんや子ども達が、最後の相続人だった場合はどうなるでしょうか?
親はもう亡くなっているかもしれませんし、兄弟だっていなくて1人っ子かもしれません。
また『次順位の相続人』が、遠方に住んでいたりで『管理』をできない場合はどうでしょう。
その場合については、また次回書きたいと思います。
本日は最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは失礼いたします。