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社会保険労務士・FP行政書士の宮腰です。物を書くのが好きで始めました。マイペースで投稿していきますので、よろしくお願いいたします。

2021年1月1日金曜日

遺言状でできること 遺贈 包括遺贈について 『根回し』大事

 こんにちは、おじさん行政書士・FPです。

それではまず、タイトルの件のまとめです。


1.遺贈には2種類ある(包括遺贈と特定遺贈)

2.包括遺贈受遺者は相続人とほとんど同じ

3.包括遺贈の放棄は家庭裁判所に手続き必要

4.遺贈するときは『根回し』が大事


それでは本文に行きます。

まず『遺贈』とはなんぞやです。

『遺贈』とは、遺言状によって相続人や相続人以外の者に財産を贈ることです。

ちなみに『相続』とは、遺言状の有る無し関係なく、民法の規定にそって、ある意味自動的に、法定相続人に財産が移動します。

相続人にも遺贈はできますが、税金や登記等で『遺贈』より『相続』のほうが有利な為、『相続人』なのにわざわざ『遺贈』される意味は薄いと思います。

ただし例外が最近できたので、今後別の機会に書きたいと思います。(配偶者居住権等)


それではタイトルにある、『包括遺贈』についてです。




『遺贈』には2種類あります。

『包括遺贈』→割合で財産を贈られる。

『特定遺贈』→特定の財産を指定して贈られる。


例えば遺言状に、

「〇〇銀行の〇〇〇○口座の預金をAに遺贈する。」

と書かれていれば、

財産が特定されているので『特定遺贈』です。

そうではなくて、

「相続財産の2分の1をAに遺贈する。」

と書かれていれば、

割合なので『包括遺贈』です。


包括遺贈の場合のAさん(包括受遺者といいます)は、相続人でなくても『相続人』と同じような立場に立ちます。


(包括受遺者の権利義務)
第九百九十条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)


相続自体は、被相続人が亡くなった瞬間に発生し、相続人みんなで法定割合どおりに共有します。

亡くなった方の財産が、持ち主なしの状態で中に浮くことはありません。


法律で2分の1相続する。
遺言で2分の1贈られる。


包括受遺者には、相続人に対する遺留分のようなものはありません。

ですが、他の『相続人』にしてみれば、相続人が一人増えたようなものです。

ですから、他の『民法上の相続人』と一緒に『遺産分割協議』を行い、具体的な財産の配分を決めます。

参加する方は、結構な負担かもしれません。


そして、『包括受遺者』は『相続人』と同じような立場に立つため、当然負債も『包括遺贈』されたことになり、はっきり言ってありがた迷惑になる場合もありえます。

このような場合に備えて、相続放棄と同じような手順で、その遺贈を放棄をすることもできます。

(遺贈の放棄)
第九百八十六条 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)

具体的には、3ヶ月以内に家庭裁判所に手続きです。


以上の事から、もし『遺言状』で誰かに包括遺贈を考えているのならば、相続人や包括遺贈の受遺者に、『根回し』はしておく必要があると思われます。

何も聞かされてなく突然、『包括遺贈の受遺者』にされても、普通の人は何が何だかわからないです。

相続人にとってもビックリです。

まぁ『遺産分割協議』は揉めると思います。

『相続税』の問題もありますし。

ですから遺言状で『遺贈』を考えている方は、よくよく考えて、根回しもちゃんとしてから、行うほうが良いと思います。


はい、今回はここまでとなります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回書いたことが、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

それでは失礼します。