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社会保険労務士・行政書士の宮腰です。ものを書くのが好きで始めました。マイペースで投稿していきますので、よろしくお願いいたします。

2025年2月2日日曜日

『成年後見人の財産管理——「使える」ラインと「使えない」ライン』

こんにちは。今回は、成年後見人の財産管理について、よくあるご相談や注意点をまとめて書いてみたいと思います。

※本記事はAIの力を借りて作成しています。内容については筆者が確認・監修しております。

後見人は「制度と本人をつなぐ人」ですが、その中心にあるのが財産管理の仕事です。ところが、この財産管理には「使える場合」と「使えない場合」のラインがあり、ここを正しく理解しておくことがとても大切です。


1. 配偶者の生活費は出せるのか?——扶養義務という考え方

時々あるご相談です。

「私(息子や娘)が父親の成年後見人になった場合に、今まで通り、父親の財産や収入から、母親の生活費を負担しても大丈夫?」

こういったご相談があるのは、「被後見人(父親)の財産は、被後見人(父親)にしか使えない」という情報があるからだと思われます。

——ちなみに、私も昔はこの点を誤解していました。

実際には、夫婦間には扶養の義務があるため、一般的な扶養義務の範囲内であれば問題はないと考えられます。

根拠となるのは、民法第752条「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」です。この夫婦間の扶助義務は「生活保持義務」と呼ばれ、自分と同程度の生活を相手にも保障するという、親子間の扶養義務(民法第877条・いわゆる「生活扶助義務」)よりも手厚いものとされています。そもそも、父親に成年後見人が選任されたことで、母親の生活が立ち行かなくなるのは理不尽です。

ではなぜ「問題はないと考えられます」という表現にしたかと言うと、それぞれの夫婦の経済力や生活水準が異なるため、「月に何万円位まで大丈夫」とはっきり示せないからです。

たとえば、年金収入しかない方と、年金収入と金融資産を持っている方とでは使える額が違ってきますし、持ち家の方と賃貸の方では、そもそもの支出の額が違ってきます。

そのため、成年後見人に選任された当初は、父親の資産の減少具合を見ながら、さらに家庭裁判所にもお伺いを立てながら、手探りで支出をしていくことになると思います。

——専門職後見人が就任した場合も同様で、扶養義務と財産のバランスを考えながら、時には家庭裁判所に確認しながら、手探りで進めていくのが実情です。


2. 「親の財産は親の物」——分別管理の大原則

一方で、絶対に守らなければならないルールがあります。いわゆる「財産の分別管理」です。

親族が成年後見人に選任された場合に特に注意が必要ですが、「親の財産は家族の物」と考えて使ってしまうと、最悪の場合、家庭裁判所により後見人を解任されたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。

「親の財産は家族の物」ではありません。「親の財産は親の物」です。

——我々のような専門職の後見人にとっては、これは当たり前のことです。基本的に被後見人(本人)は他人ですから、他人の財産を使い込めば業務上横領にもなり得ます。

本人のご家族に対して財産を支出しなければならない場合には、必ず家庭裁判所に確認を取ります。そうするように教育を受けています。

3. 専門職後見人の管理方法

成年後見人に選任されたら、本人の財産と後見人自身の財産を厳密に区別することが求められます。

そのため、我々専門職の後見人は、選任されたらまず銀行に行って、後見活動専用の口座を開設する手続きをします。

私の場合は、現金出納帳をつけて、1円以上のレシートと領収書をすべてファイリングしています。自分の身を守るためです。

——ちなみに、管理の方法は後見人によってそれぞれ違うようです。

4. 親族後見人が陥りやすい落とし穴

これが親族後見人になると、どうしても財産の管理が甘くなりがちです。たとえば、

「毎年行っていた家族旅行のお金、お母さんはもう行けないけど、お母さんの年金から出してもいいよね。」

「お父さん、もう施設に入ってるけど、自宅の改修費用を、少し位お父さんの貯金から出してもいいよね。」

こういったケースは色々ありそうですが、まずいです。上にも書いたように、後見人の解任や損害賠償請求もあり得ます。

「親の財産は親の物」ですので、親自身が行っていない旅行の費用や、親自身が住んでいない自宅の改修に親の財産を勝手に使えば、年1回の報告時に家庭裁判所から指摘を受ける可能性が高いです。

ただし、財産の支出にそれなりの理由や事情がある場合には、家庭裁判所にまず相談してみましょう。その理由や事情を考慮して、支出の許可をもらえるかもしれません。

——相談してみる価値はあります。



今回は「使える場合」と「使えない場合」のラインについてまとめてみました。扶養義務の範囲であれば配偶者の生活費に充てることは可能ですが、「親の財産は親の物」という大原則は常に意識しておく必要があります。

迷ったら、まずは家庭裁判所に相談する。これが一番確実です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。それでは、また次回お会いしましょう。